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天職と適職の3つの違いとは?仕事に幸せを感じるために必要なモノ

天職、そして、適職という言葉があります。

辞書で調べると(出典:デジタル大辞泉(小学館))、

天職とは、「天から授かった職業。また、その人の天性に最も合った職業」

適職とは、「その人の能力・才能などに合った職業」

・・という風に出てきます。

今回はこの2つの違いや見分け方について、もう少し詳しく見てゆきたいと思います。

また、この2つはどちらかが自分にあればいいのか?2つとも持つということはできるか?または、天職=適職ということはあり得るか?

・・といったことについても見てゆきたいと思います。

1)得意なことか?好きなことか?

天職と適職の最初の見分け方は、得意なことか、好きなことか?という点です。

天職は・・

好きなこと + 誰かの役に立つこと = 天職

適職は・・

得意なこと + 誰かの役に立つこと + お金を得ることができること = 適職

・・といったことが言えます。

もっとも、特に天職の場合は、その人によって定義というものも少々変わってきます。ここでいう天職とは、当サイトなりの定義ということになります。

その仕事、職業が自分の「好きなこと」であれば、それは天職の可能性があります

その仕事、職業が自分の「得意なこと」であれば、それは適職の可能性があります

誰かの役に立つこと

先ほどの

好きなこと + 誰かの役に立つこと = 天職

得意なこと + 誰かの役に立つこと + お金を得ることができること = 適職

・・を少し説明すると、どちらも「誰かの役に立つこと」であることには違いはありません。

働くという言葉の語源については色々なことが言われますが、その一つが、「傍(はた)を楽にする」ということになります。

傍(はた)を楽にする・・つまり、自分以外の周りの人を楽にすることが働くという言葉の意味になります。

適職も天職も、働くことになるので、周りを楽にする、言い換えると、誰かの役に立つということが前提になってきます

2)適職は、お金を得ることができる職業。天職は、お金が伴っていなくてもいい

先ほどご紹介した適職と天職の違いですが、適職は「お金を得ることができること」※が含まれていますが、天職にはそれが含まれていません。

※ただし、主婦業は別です。お金を直接得ていなくても、適職になり得ますし、場合によっては天職にもなるかも知れません

言い換えると、適職は、お金を得る必要がありますが、天職は必ずしも、お金が伴っていなくてもいい・・ということになります。

例えば、Aさんは、学生時代からアルバイトで接客業の仕事をしていて、お客さんに指名されるほど、接客が得意。

その特技を生かして、大学卒業後は旅行代理店に就職。丁寧な接客でお客さんからは高い人気があります。

この仕事(サービス業)は、Aさんにとって、得意なことであり、誰かの役に立つことでもあり、尚且つ、お金を得ることができることですから、これは「適職」の可能性が高いです。

Bさんという人がいます。普段は、自動車メーカーの営業をしています。

Bさんは、野球が大好きで、週末には、ボランティアで子供たちに野球を教えています。

Bさんは子供たちに野球を教えるのが好きで、やりがいを感じていて、子供たちもBさんを慕っています。

この野球を教えるボランティアの仕事は、Bさんにとって、好きなことであり、誰かの役に立つことですから、これは「天職」の可能性が高いです。

天職は、「お金」が伴っていなくてもいいので、好きなこと+誰かの役に立つことであれば、それは自分にとっては天職となる可能性があります。

適職の場合は、得意なこと、誰かの役に立つことに加えて、お金を得ることができることという条件が付くので、見つけるのは、場合によっては少し時間が必要かも知れません。

一方、天職は、条件が一つ少ない分(お金が伴っていなくてもいい分)、見つかりやすいかも知れません。

江原啓之さんが語られた適職と天職

スピリチュアルカウンセラーの江原啓之さんは適職について、

適職とは、あなたが生まれつき持っている資質の中で、「お金を得ることができる技能を生かした職業」。たとえば、「私は気配りすることが得意」という人がサービス業に就いた場合、それは「適職」になるでしょう。(出典:スピリチュアル ワーキングブック p.36 江原啓之著)

江原さんは適職について興味深いことを指摘されています。

それは何かというと、適職に就くことによって、またはその仕事をしてゆく中で、100%の喜びを感じられるかどうかはまた別の問題だと、江原さんはそう指摘されています。

人にサービスすることが得意な人でも、プライベートでは人付き合いがそれほど得意ではない人もいるし、手先が器用で何かの製品を作ることは得意でも、できた製品にそれほど愛着が持てない人もいる、と。

だけど、それはそれで「お金を得ることができる技能」を生かした職業、つまり、適職であると。

天職について、江原さんは、

一方、「天職」はお金に関係有りません。自分のたましいが喜ぶ仕事、たとえば好きで好きでたまらないこと、放っておくと時間が経つのも忘れて没頭できるようなことです。自分の理想をとことん追求できるし、その仕事を通して多くの人に役立つことができる。それが「天職」なのです。(出典:スピリチュアル ワーキングブック p.37 江原啓之著)

・・と語っていらっしゃいます。

ただし、天職だけでは食べていけない点も指摘されています。

そして、「仕事に幸せを感じるため」に私達には、「適職」と「天職」の両方が必要なのだ、と。

3)心を喜ばせてくれる天職、経済的な欲求を満たしてくれる適職

適職は、お金を得るためにはとても大切なもので、経済的な欲求を満たしてくれるものだと思います。

一方、天職は、お金が伴ってくるとは限りませんが、自分の心を満たしてくれるもの、心を喜ばせてくれるものだと言えます。

江原さんがおっしゃったように、天職だけでは食べてゆけないことも多く、適職はとても大切なものだと思います。

ただ、適職だけでは、心が満足しないこともあるかも知れませんが、そこを満足させるためには天職が必要なのかも知れません。

恐らく、どちらが大切かと言われたら、適職はとても大切なものになると思います。

食べてゆけなければ、心を満たすところまではたどり着けないわけですから。

だから、適職がまず大事。

その次の段階として、「天職」というものを考えてみてもいいのかも知れません。

自分の心を満たすために。自分の心を喜ばせるために。

以前、人の欲求の段階についてまとめられた、マズローの「自己実現理論」をご紹介したことがありました。

マズローは人には基本的欲求があって、それは下から

①生理的欲求・・・食事や睡眠など
②安全の欲求・・・健康でいること、安全な暮らしができること
③社会的欲求・愛の欲求・・・社会的な欲(仕事があるなど)、愛の欲(恋人、パートナーが欲しい)
④承認の欲求・・・自尊心など
⑤自己実現の欲求・・・なりたいものになる。本当にやりたいことをやること

・・があると言っています。(人はまず、①から順に満たそうとしてゆきます。いきなり⑤に行ったりはしません)

図にするとこんな感じです。

適職と天職の話に戻りますが・・

この①~⑤まで、適職が満たしてくれることもあると思います。

ただ、⑤自己実現の欲求に限っては、天職が満たしてくれることも多いかも知れません。

冒頭で、この2つはどちらかが自分にあればいいのか?2つとも持つということはできるか?また、適職=天職ということはあり得るか?

・・と書かせていただきましたが、この2つの中では、まず、適職を見つけるということが大切になってくるように思います。

ただ、適職と天職の2つを持つこともできると思います。

また、適職=天職というケースもあるのですが、それはかなり稀なケースになると思います。

多くの場合は、分けて考えた方がいいかも知れません。

先ほどのマズローの欲求の段階に戻ると・・

自己実現の段階までは、適職を見つけること、そして、その仕事に一生懸命になってゆくことで、自分が望んでいるもの、求めているものが満たされてゆくことがあると思います。

ただ、その段階を終えて、何か足りない。何かが抜けているように感じる・・と思った時は、「自己実現」というものに目を向けてみるのも一つの方法だと思います。

そして、その自己実現ということを考えた場合、適職と天職では、天職の方が向いていることが多いです。

例えば、自分が本当に好きなことを、天職にしてみるのも江原さんの言う、「仕事に幸せを感じるため」にはよい方法だと思います。

もし、「いや、できれば天職でもお金を得たい」、「できれば、適職=天職になるものを見つけたい」と思われた場合ですが、その場合は、好きなことを「副業」からはじめてみるのもおすすめです

本業は本業として、ちゃんと持った上で、好きなことを副業としてはじめてみます。

今は収入を得る方法も色々あります。インターネットを使って、個人で仕事をしている人も大勢います。

ですので、好きなことで収入を得るチャンスもあるかも知れません。

それに副業であれば、副業の範囲で、本業ではできないような、思い切った挑戦もできるかも知れません。

そういった形で好きなことを仕事につなげるための方法を模索してゆくのもいいかも知れませんね。

さて、ここまで適職と天職の違いについて、色々と見てきました。

江原さんがおっしゃったように仕事、または人生に幸せを感じるためには、どちらか、ではなくて、適職と天職の両方が大切になってくるのかも知れません。

特に、自己実現ということを考えた時、適職というベースがあることが条件にはなりますが、「天職」というものはとても大切な役割を果たしてくれるように思います。