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嫌なことを忘れるために必要なこと。嫌なことを思い出す理由とは?

過去にあった嫌なこと、嫌な記憶を何かのきっかけで突然思い出してしまって、また気分が落ち込んだり、情けない気持ちになったり、イライラしたり、悲しくなったりする。

そんなこともあるかも知れません。

嫌な記憶がフラッシュバックする・・なんて言いますが、過去の体験がトラウマとなって、フラッシュバックを引き起こすこともあります。

ただ、このフラッシュバックは、トラウマのような大きな何かではなくても、例えば過去にあった、ちょっとした嫌なことによって引き起こされることもあって、そういう意味では案外私たちの身近にあるものだと思います。

今回は、トラウマとまではいかないし、人に話せば、そんなに気にしなくて大丈夫だよと言ってもらえるようなことだけど、それでも時々思い出して、マイナスな気分になってしまうような時はどうしたらいいか?

どうしたら、そんな過去にあった嫌なことを思い出して、マイナスな気分になってしまうことをやめることができるか?といったことについて見てゆきたいと思います。

※もし過去の嫌な記憶というものがトラウマになっているような場合は、専門家に相談してみる必要があるかも知れません。

今回はそういったトラウマのようなものではなく、もう少し日常的にある、誰もが抱えてしまう可能性のある嫌な記憶をどうにかする方法について取り上げてみたいと思います。

英単語はすぐ忘れてしまうのに嫌な記憶は忘れることができない理由

例えば、英単語なんかは一生懸命覚えても、すぐ忘れてしまうのに、嫌な記憶の場合は、望んでもいないのに忘れることができない・・なんてこともあるかも知れません。

これは何故?

・・ということですが、記憶というのは、何かを繰り返すことで定着してゆくという性質があります。

英単語を一旦は覚えてもすぐに忘れてしまうのは、反復が足りないため。

繰り返し覚えようとすれば、英単語も記憶に定着することになります。(ただ、それには根気が必要なわけですが)

嫌な記憶の場合はどうでしょう?

嫌な記憶が忘れられないのは、何度もそのことについて考えてしまっている(反復している)ためです。

でも、何故、嫌な記憶をわざわざ何度も繰り返し考えてしまうのでしょう。それに、考えないようにしても、突然のように嫌な記憶がフラッシュバックするようにして、蘇ることもあります。

この理由ですが、それは心がまだそのことについて忘れない方がいいと思っているためというのがその(理由の)1つなのかも知れません。

嫌な記憶を忘れるための2つの方法

さて、そういったことを踏まえた上で、今回は嫌な記憶を忘れる、または思い出さないようにするための方法を2つ、ご紹介したいと思います。

その2つとは、

といったことになります。

1)嫌な記憶が蘇ることをストップさせる

過去の嫌な記憶がフラッシュバックするようにして蘇るのは、心がまだそのことについて忘れない方がいいと思っているため、でした。(ただし、他の理由もあります)

それはつまり、まだ葛藤のようなものがあって、それが解決されていない状態、または、それについて自分が納得できていない状態かも、知れません。

これを心理学の世界では「未完了の想い」などと言います。

嫌な記憶がフラッシュバックするようにして蘇るのをストップさせるには、この未完了の想いを何とかする必要があるようです。

未完了の想いを何とかするには?

では未完了の想いを何とかするにはどうしたらいいでしょうか。

葛藤があって、解決していないもの、納得できていないものが未完了の想いになります。

だとしたら、その心にある葛藤を解決させるか、(心を)納得させる必要があります。

もっとも、トラウマのように解決させることが難しいものもあります。(その場合は専門家の助けが必要です)

ただ、そういったトラウマのようなものではなく、日常的にある、誰もが抱える可能性があるような身近にある過去の嫌な記憶(未完了の想い)に関しては、自分でもできることがいくつかあります。

その一つが、自分の中で、何か納得できる答えを見つけるということになります。

この納得できる答えというのは、その嫌な記憶によって、または、その人によっても全く異なってくるので、これが納得できる答えです・・という1つの何かはないかも知れません。

ただ、納得できる答えを出すためのヒントのようなものがいくつかあって、その一つが、自分の中で納得できる答えを「自分軸」で見つけてゆくこと、になります。

他人軸と自分軸の違い

自分軸で考える

例えば、嫌な記憶というものが対人関係の中で起こったものだったとします。

その場合、相手をどうにかしようと考えると、納得できる答えが出ないことが多いです。相手(他人)は、自分ではどうにもできないことが多いためです。

そのため、相手をどうにかしようとしていると、嫌な記憶のフラッシュバック(のようなもの)も止められないかも知れません。

そうではなくて、自分軸で考えます。

それはつまり、「相手をどうするか」ではなく「自分はどうするか?」と考えるということ、相手を変えようとするのではなく、自分が変わろうとするということ・・になります。

そうやって考えてみると、何か自分の中で、答えのようなもの、またはその出来事を乗り越えるためのヒントや答えのようなものが浮かんでくることがあります。

自分の人生の主人公になる

もう1つのヒントですが、答えが出ないような時は、この自分の人生を「ドラマ」に例えてみるのも1つの方法です。

これは以前にもご紹介させていただいた考え方ですが、自分はその「自分の人生」というドラマの主人公です。

そして、この「自分の人生」というドラマは、主人公が色々なことに悩みながら、それでも成長してゆくストーリーになっています。

周りの人、自分の人生に登場する人は皆、このドラマの脇役。言ってみれば、主人公が成長してゆくための引き立て役です。

例えば、過去に自分に嫌な思いをさせた嫌なヤツがいたとします。

その嫌なヤツも実は、この「自分の人生」というドラマに脇役として出演していたのです。主人公を困らせるという台本を持って。

・・・例えば、そんな風に考えてみると、その心の中にある葛藤の答えが見つかることもあるかも、知れません。

もっとも、すべてに答えがあるわけじゃないと思うのです。

ただ、中には自分の中で何かしらの答えが見つかるものもあるかも知れません。

そうやって答えが見つかったものに関しては、不思議と、その嫌な記憶というものが蘇る回数が減っていったり、時に、全く蘇らなくなってゆくこともあります。

未完了の想いをそんな風にして「完了」させることが嫌なことを忘れるための1つの方法だと思います。

2)記憶は繰り返す(反復する)ことで定着する

2つ目のやり方ですが、記憶は繰り返す(反復)することで定着する・・ということがヒントになります。

例えば、ある曲を聴いて、どこかの場所であったり、その曲を聴いていた頃を思い出す・・ということがあるかも知れません。

これは、その曲とその曲を聴いていた時のことが結びついていて、曲を聴く度に、その何か(場所など)を思い出しているためです。

もし、特定の曲に対して、嫌な記憶が結びついている場合はどうしたらいいか?・・というと、楽しい時に繰り返し、その曲を聴くようにしてゆくと、その結びついた記憶が上書きされてゆくことがあります。

記憶は繰り返す(反復する)ことで定着、または、上書きされるようです。

これを嫌なこと、嫌な記憶を思い出して嫌な気分になってしまうことをやめるために利用することができるかも知れません。

例えば、ふとした瞬間に、昔の自分の未熟な言動(嫌な記憶)を思い出して、何だか情けない気持ちになることがよくあるとします。

この嫌な記憶(自分の過去の未熟な言動)を思い出す、または忘れられない理由は、ここまで見てきたように、繰り返し考えているから・・ということになります。

この時、先ほどのように、納得ゆく答えを自分の中で出す、でもいいですし、または、その過去の出来事に対する捉え方を変えてみるということをしてみます。

感情は、その直前に何をどう考えたか・・ということが決めているため、過去のことを思い出して、マイナスな気分になるのは、マイナスな捉え方をしているためです。

感情をコントロールするには捉え方を変える
自分を苦しめる考え方を変える方法、感情は思考の後についてくる

ですので、過去の出来事に対する捉え方を変えると、感じ方というものも変わってゆきます。

その結果、過去の記憶が蘇っても、以前のように嫌な気分にならず、(結果的に)その記憶が蘇らなくなってゆく・・ということもあります。

ただ、最初は何かのきっかけで、その過去の出来事、この場合は過去の自分の言動を思い出した時に、どうしてもマイナスなことを考えてしまうかも知れません。

それを繰り返した結果、その出来事が忘れられなくなっているわけなので。

ですので、今回の例では、最初はどうしても、過去の自分の言動=恥ずかしい(マイナスな捉え方)という風に考えてしまうかも知れません。

ただ、そうやってマイナスな、もしくは否定的な捉え方をしてしまってもいいので、その後で、無理にでも肯定的な捉え方もしてみます。

例えば、「未熟な言動だったかも知れない。だけど、あの時の自分は自分なりに精いっぱいやっていたじゃないか。」でもいいです。

例えば、「未熟な言動だった。だけど、自分が未熟であることを知っているからこそ、人に寛容になれることだってあるかも知れない。あの頃の自分を思い出す時は、自分を責めるのではなくて、自分への戒めとして、この記憶を自分のために生かしてみよう。」

そんな感じでもいいです。

または「それも自分だから」と自分に言い聞かせてみるのもこの場合はいいかも知れません。

「それも自分だから」というのは、何かを否定することなく、ただ、それでも全部を肯定している言葉で、自分の過去の何かを許したい時に使うと効果があります。

こんな風にして、その過去の記憶を思い出す度に、マイナスなことを考えてしまっても、その後で、肯定的なことを1つ、または2つ考えることで、そのマイナスな捉え方、そして、その記憶に対する感じ方を上書きする・・という作業を続けてゆきます。

これは一度や二度やっただけでは(その時は楽になれても)その効果が持続しないことが多く、記憶も上書きされません。

記憶の性質を考えると、繰り返し、反復することが大事になってきます。

繰り返してゆくことで、その記憶に対する感じ方も少しづつ変わってゆきます。

僕の好きな言葉にこんなものがあります。

「事実は変えられなくても、解釈は変えることができる」

過去の記憶、そして、その記憶によって、マイナスな気持ちになってしまう自分を変えるには、その解釈というものを変えてゆく必要があるのかも知れません。

過去は変えられないかも知れない。だけど、その解釈であれば、今からでも変えることができるかも知れません。