母親が愚痴ばかり。イライラせずに聞き流すにはどうしたらいい?
おかしな相談室
「母親とは離れて住んでいるのですが、会う度に愚痴や誰かの悪口ばかり聞かされます。
私はできるだけ、人の悪口や愚痴などは言わないように心掛けているので、母の愚痴に余計イライラしてしまいます。
イライラしないためには、どうしたらいいのでしょうか?」
そうですね。
愚痴や悪口ばかり聞かされるというのは、辛いことですね。
また、愚痴であったり、他人の悪口などは言わないように心掛けているからこそ、愚痴を聞かされると余計にイライラしてしまう・・ということはあるかも知れません。
今回は、母親やまたは父親が愚痴ばかり言うことが嫌になった時はどうしたらいいか?また、そういった愚痴を上手に聞き流すにはどんなことを考えたらいいか?ということについて見てゆきたいと思います。
親に対する悩みは、関係が近すぎることが原因となっていることが多い
人間関係の悩みの多くはどうも、距離が関係していることが多いようです。
物理的な距離もそうですし、心の距離もそうですし。
そして、その距離が近すぎると、つい相手に言いすぎてしまったり、つい、相手に求めすぎてしまったり、または、相手の色々な部分が見えてきて、嫌になってしまったり・・そんなこともあります。
特に、冒頭の方のように、親御さんとの関係というのは、やはりとても特別な関係で、他の関係と比べると、距離が近くなりがちな関係であると思います。
そして、親に対する悩みの多くは、その距離が近くなりすぎていることが原因であることが多いようです。
それは、お互いが・・という意味で、例えば、母親が自分に近すぎるのかも知れませんし、または、自分が母親に近すぎるのかも知れませんし、お互いに距離が近すぎるのかも知れませんし。
そんな時は、たとえそれが自分の親であっても、少し離れてみるというのも一つの方法だと思います。
そして、自分がイライラしない距離感というものを見つけようとしてみます。
これは人によっても、または相手によっても変わってきますが、このラインを超えると、相手の嫌なところの方が多く見えてくる・・というラインが人にはあるようです。
冒頭の方のように、母親とは離れて住んでいる方であれば、少し会う頻度を落としたりして、自分がもう少し笑顔で接することができる距離感を見つけようとしてみるのも一つの方法かも知れません。
例えば、母親と一緒に住んでいる場合は会う頻度を落とすということはできないわけですが、その場合は、物理的な距離ではなくて、心の距離を置いてみるのも一つの方法かも知れません。
そのためにできることについては少し後でご紹介したいと思います。
相手を変えようとすると、イライラしてしまう
以前、怒りの原因と「期待」について。怒りは第二の感情?でも書かせていただきましたが、イライラというのは、「期待」が深く関係しているようです。
例えば、ホテルに泊まって、そのホテルのスタッフに素晴らしいサービス、対応を「期待」していて、そっけない対応だったら・・嫌な気持ちになってしまうかも、知れません。
ただ、「ホテルのスタッフも色々な人がいる。素晴らしいサービスばかりじゃない」と思っていた場合は、そっけない対応のスタッフがいても「ほらね。」とスルーできるかも、知れません。
親との人間関係のお話に戻りますが、「わかってくれる」と期待したり、「変わること」を期待してしまうと・・それがイライラの原因になってしまうことがあります。
というのも、人はなかなか、変わらないものだと思うからです。
そんな時は、相手は変わらないと思い定めてみると、相手を変えよう、わからせようという思いを捨てることができて、結果的にイライラを手放せることがあります。
人は勿論、変わることができるとは思います。
親御さんも今は何か事情があるのかも知れませんし、いつか、変わってくれるかも知れません。
だけど、少なくとも、今は、親は変わったりはしないのだと思い定めてみると、「相手をどうするか?」という思いから、「自分はどうするか?」という考えにシフトすることができます。
「相手をどうするか?」と思うとそれは悩みになりやすいです。
相手はどうにもならないことが多いためです。
「自分はどうするか?」と考えると、悩みから抜け出せることが多いです。
自分なら、どうにかできる可能性があるからです。
母親ではなく、「自分を育ててくれた人」「自分を産んでくれた人」だと思ってみる
冒頭で、心の距離を置いてみるということについて書かせていただきました。
その心の距離の置き方ですが、母親を自分の母親ではなくて、「自分を産んでくれた人」、または「自分を育ててくれた人」なんだと思ってみるのも一つの方法かも知れません。
今の母親に対する不満よりも、過去の母親への感謝の思いの方に意識を向けて接してみる、と言いましょうか。
もっとも、自分の母親は母親ですから、100%感謝の思いのみで接するのは難しいかも知れませんが・・
ただ、過去の母親に対して感謝できることは何か?と考えてみるだけでも、今の母親に対するイライラの気持ちは少し楽になるかも知れません。
「愚痴ばかり言う母親」と思うのと、「自分を育ててくれた人」または、「自分を産んでくれた人」と思ってみるのとでは、心の距離の取り方も変わってくるように思います。
例えば、もし愚痴ばかり言う相手が、母親ではなくて、自分の「夫のお母様」(義母)だったとしたら、同じことを言われても・・
「そうですか、それは大変ですね・・」
・・なんて言えるかも知れません。
これは相手が自分の旦那さんの「お母様」だからで、自分の母親とは違って、距離を大きく取っているから・・だと思うのです。
もっとも、自分の母親となると、これと全く同じように接するなんてことは難しいことだと思うのです。
ただ、少しでも、心の距離を取る工夫をしてみるのもいいかも知れませんし、その心の距離というものが、愚痴を上手に聞き流す・・ということにつながってゆくのではないかなと、思います。
自分を許して、相手を許す
人というのは不思議なもので、自分に許していることしか、相手に対して許すことができないのかも知れません。
例えば、日曜日に朝寝坊してしまった自分を「1週間頑張ったんだからいいんだよ」と許していると、例えば、自分の夫や妻が同じように日曜日の朝、すぐに起きてこなくても、同じように許せたりするかも知れません。
ところが、日曜に朝寝坊することを自分に許していないと、日曜に朝寝坊する自分の家族のことも許せなくなってしまいます。
自分に許していることしか、相手に対して許すことができない。
だとしたら、相手を許すためには、自分をちょっとだけ、許してみるのも一つの考え方なのかなと、思います。
愚痴が言いたくなるのは何故?
ここで少し話は変わりますが、そもそも人は何故、愚痴が言いたくなるのでしょう?
愚痴を言いたくなる理由は、その人によっても少しづつ違ってくるかも知れませんが、ただ、愚痴が言いたくなる共通の心理としては、弱い立場にいて、そして、やるせない思いがあるから・・ということが考えられます。
例えば、職場では、部下に対する愚痴よりも、上司に対する愚痴の方が多いように思います。
勿論、上司が部下に対する愚痴を言うこともありますが、どちらかというと、上司に対する愚痴の方が多いように思います。
それは立場が強いか弱いかの差でもあると思います。
弱い立場にいる部下は、何か上司のことで辛い思いをさせられていても、強い立場にいる上司に直接思ったことを言えないので・・そのやるせない思いを愚痴にして、誰かに聞いてもらうことで、自分の気持ちを楽にしたい・・のかも知れません。
人は、相手に、または何かに対して直接言えないからこそ、別の誰かに愚痴を聞いて欲しいわけで、それはその人が直接言うことのできない弱い立場にいるということ・・なのかも知れません。
だから、母親が誰かのことを悪く言っている・・と考えるのではなく・・
母親にはやるせない思いがあって、そして、弱い立場にいるのかも知れないなと、例えば、そんな風に考えてみると、母親の愚痴に対する感じ方も少し、変わってくるかも・・知れません。
上手に右から左に聞き流す
冒頭の方のように、愚痴ばかりを毎回聞かせられるのはとても辛いことだと思います。
毎回、愚痴ばかり言ってくる人の場合は、話を聞いてあげても、自分を変えようとすることは少ないと思いますし、愚痴を聞いてもらったことへの感謝の気持ちも、もしかしたら薄いかも知れません。
そして何より、愚痴を聞くことが毎回どれだけこちらの負担になっているかを考えてもらえないことが残念なことだと思うのです。
ただ、そこに執着してしまうと、一番苦しくなるのは自分かも知れません。
そんな時は、自分が一番楽でいる方法を考えてみるのも1つの方法かなと思うのです。
そして、そのために相手が何故、愚痴を言いたくなるのか?ということを考えてみてもいいかも知れません。
愚痴や悪口のようなものは、誰かへの攻撃に聞こえてしまうこともありますが、実はそうではなくて、愚痴を言っている人は一生懸命自分を守っているだけ・・ということがよくあります。
そういう風に相手の愚痴に対する捉え方を少し変えてみるのも、どうしても聞かされてしまうような愚痴を、言い方は悪いですが、上手に右から左に聞き流すためには必要なことなのかも知れません。